コレステロール低下剤の多面的作用(プレイオトロピック効果)とは

コレステロール低下剤のスタチン系薬剤(リピトール、アトルバスタチン、ローコール等)はLDLコレステロールを低下させる作用とは別に、血管内皮機能改善作用、心筋保護作用、抗炎症作用、骨形成促進作用、免疫抑制採用などもあることが研究結果より、多数報告されています。つまりスタチン系薬剤は血液中脂質の数値と無関係に、心血管イベント(狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞)の発症・進展を防ぐ効果があります。また心血管系以外の作用もあります。骨密度の増加による、骨折リスクの減少、アルツハイマー型認知症リスクの減少、糖尿病の発症のリスクの減少、加齢黄斑変性症や白内障の発症リスクの減少、がん細胞の成長の抑制、腎障害改善等があり、持続的に内服すると長寿につながる薬剤と考えられています。つまり、LDLコレステロールが正常化しても本薬剤は中止せず、続けることが健康を維持するために重要と考えます。