機能性ディスペプシア

腹部膨満感、食欲不振、食後のもたれ感、みぞおちのあたりの痛み、胸焼け、吐き気、げっぷなど、非常に多くの症状があり、時には生活の質を大きく低下させます。それらの症状で受診される患者さんの40~50%は機能性ディスペプシアと言われています。胃カメラ等の検査で特に異常がないのがこの疾患の大きな特徴です。原因として胃の運動機能障害や、ピロリ菌感染、内臓知覚過敏、胃酸分泌、胃の形態異常など、様々な因子が関連していると考えられます。また飲酒、喫煙、不眠、高脂肪食などの生活習慣、ストレスや不安などの心理的因子も強く影響します。まず胃カメラと腹部エコー検査を行い、胃がん、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎や慢性膵炎・胆石等の有無を調べ、患者さんに心配する必要が無いことを説明し、症状→不安→症状と悪循環の連鎖を断ち切ることが重要です。治療は生活習慣の改善、酸分泌抑制薬,アコチアミド,漢方薬(六君子湯)などの薬剤の内服で、ピロリ菌感染があれば、除菌を行います。しかし、中にはこれらの治療でも効果のでない患者さんもおられ、時には難渋する疾患です。