ピロリ菌

 ピロリ菌とはヘリコバクター・ピロリが正式名であり、胃に生息する菌です。いまから40年程前にオーストラリアのウォレンとマーシャルにより報告されました。彼らは後に、ノーベル賞を受賞し、今日世界中に周知されています。ピロリ菌はらせん状で鞭毛を持ち、胃の粘液中に生息しています。経口感染は明らかなのですが、現在でもまだ、感染経路が不明な部分が多いのが現状です。発展途上国ほど、感染率が高く、衛生面が関係しているとされています。ピロリ菌は慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍をおこし、ピロリ菌感染が胃癌の原因の一つであるとされています。ピロリ菌に感染していることは、胃癌のリスクを抱えることであり、ピロリ菌感染がわかれば、早急にピロリ菌除菌が望まれます。ピロリ菌の除菌方法は1週間の内服治療です。薬剤の大半は抗生物質であり、場合によりピロリ菌のみならず、腸管内の細菌を死滅させ、下痢を引き起こすことがあります。また内服治療中に味覚障害が現れることもあります。除菌の成功率は70-80%であり、不成功の場合次の2次除菌をする必要があります。ピロリ菌除菌に関してご不明なことがあれば当クリニックにお問い合わせ下さい。