ピロリ菌とは
ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」と言います。ヘリコとは「らせん状」という意味で、バクターとはバクテリア(細菌)、ピロリは胃の出口付近を意味する「ピロルス」というラテン語の単語からきています。この菌の最も大きな特徴は、酸素の存在する大気中では発育しないのですが、胃の中では死滅しにくいという点です。数本の鞭毛を持ち、この鞭毛を高速で回し、その回転力で胃の中をドリルのように進んで移動します。そして、胃の中にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アンモニアで酸を中和することによって生き延びるのです。従って、ピロリ菌が見つかったときは、除菌がお勧めです。
ピロリ菌の検査法
ピロリ菌の感染診断には、大きく分けて内視鏡を使わない方法と使う方法の2通りがあります。内視鏡を使わない方法としては、尿素呼気試験や血清・尿中抗体検査が代表的です。このうち尿素呼気試験は、試薬を使って服用前後の呼気を検査用の袋に吹き込み、その採取した呼気を使って診断します。簡単かつ精度の高い検査法です。血清・尿中抗体検査は、ピロリ菌に感染したときに作られる抗体が血液中や尿中にあるかどうかを調べる方法です。
内視鏡を使う方法としては、迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法があります。このうち迅速ウレアーゼ試験は、ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素の活性を利用して調べる方法です。採取した粘膜を専用の反応液につけて、色の変化でピロリ菌の有無を調べます。鏡検法は、粘膜に特殊な染色をして顕微鏡で探す診断法です。培養法は、胃の粘膜を磨りつぶし、ピロリ菌の発育環境で培養して判定します。
ピロリ菌の除菌
検査によってピロリ菌が見つかったときは、除菌いたします。プロトンポンプ阻害薬と2種類の抗生物質を1日2回、7日間続けて飲みます。プロトンポンプ阻害薬で胃酸の分泌を抑えておいてから、抗生物質でピロリ菌を除菌するのです。服用終了から約1ヶ月後以降に除菌療法の効果を判定します。なお、最初の除菌療法でうまくいかなかった場合は、違う薬を使って再度、除菌療法を行うことができます。(注:保険診療での除菌治療は内視鏡検査を受けて頂く必要があります。)
- 院長
- 岡田 勝治
- 診療内容
- 一般内科・消化器内科・病理診断科
- アクセス
- JR 琵琶湖線 野洲駅より徒歩11分