ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染経路は口からであることは知られています。先進国より発展途上国の感染率が高いというデーターがあり、衛生面が感染に影響すると言われています。また井戸水が感染の原因であるとも言われてきました。しかし水道水で生活していた患者さんのピロリ感染経路が不明でありました。最近では、親からの感染が濃厚になっています。赤ん坊が母乳から離乳食に移行する際に、両親又は祖父母から与えられるのですが、その際感染した可能性が高いと言われています。

 成人の胃の免疫機能は充実しており、少量のピロリ菌では感染はしません。しかし、赤ん坊の胃の免疫機能は未熟で、ごく少量でも感染してしまいます。愛情で食べやすくするために親の口の中で咀嚼した離乳食や、赤ん坊がやけどしないように親の口の中に入れて温度を確かめたスプーンで、繰り返し離乳食を与えられることで感染します。今ではピロリ感染意識が高まりこのような習慣少ないですが、親(特に母親)のピロリ菌感染既往があれば、検査をすることをお薦めします。